公開日:2026年7月13日
最終更新日: 2026年7月13日
貨物軽自動車安全管理者講習の受講と貨物軽自動車安全管理者選任届出の最新状況を解説!
【この記事のポイント】
- 講習受講者のうち約半数が、運輸支局への「選任届出」を終えていない手続き未完了の状態。
- 2025年4月以降の黒ナンバー新規取得者は猶予期間なし。取得後「速やかに選任届出」が必要。
- 手続きを怠ると「自動車の使用停止等、行政処分の可能性がある」ほか、実質的な発注停止リスクも。
2025年4月の貨物軽自動車運送事業者の安全対策の強化から1年以上が経過しました。現在、多くの事業者様の手元に「国土交通省からのハガキ」が届き対応を進められているかと存じます。
日本全国の軽貨物運送事業者における安全対策の浸透度について、関係行政機関へのヒアリングに基づき、登録講習機関であるロジクエストが独自にまとめた受講状況の考察と今後の注意点を公開します。
貨物軽自動車運送事業者様および委託元企業様が、受講後の行政手続きを含めた確実な法令遵守を推進するための目安としてお役立ていただくことを目的としています。
現在の受講・選任届出の現状:
受講者の「約半数」が手続き未完了
現在、全国の軽貨物運送事業者様が順次安全対策への対応を進めており、講習の受講者数は着実に積み上がっています。しかし、関係行政機関へのヒアリングや調査を基に状況を分析すると、重大な課題が浮き彫りになりました。
それは、「講習を修了した事業者のうち、実際に運輸支局へ『選任届出』まで提出しているのは、約半数強にとどまっている」という事実です。
つまり、言い換えれば「講習受講者の約半数が、選任届出を行えていない(未完了のまま滞留している)」という深刻なタイムラグが発生しています。
WEB(eラーニング)受講の場合、受講を修了したその瞬間に画面上で修了証明書(PDF)がダウンロード可能であるため、証明書の発行や郵送を待つといったタイムラグは発生しません。にもかかわらず「約半数」という大きな乖離がある理由は、多くの事業者様が「講習をクリアし、修了証を手に入れた時点で、すべての義務を果たした」と誤認し、その後の手続きを失念、あるいは後回しにしているためと推測されます。
株式会社ロジクエストの
貨物軽自動車安全管理者講習
あなたはどちら?黒ナンバーの「取得時期」で異なる猶予期間の有無
制度上の正しい手続きは、講習の受講終了(修了証の取得)だけで完了しません。ご自身の黒ナンバーの取得時期によって、貨物軽自動車安全管理者届出の猶予期間の有無が異なるため、必ず以下のどちらに該当するか確認してください。
① 2025年3月末までに黒ナンバーを取得している事業者
安全対策強化前の「2025年3月末まで」にすでに黒ナンバーを取得している事業者については、安全管理者の選任届出までに猶予期間が設けられています。この対象者に該当する場合の最終デッドラインは【2027年3月末まで】となります。猶予期限まで残り9ヶ月を切り(2026年7月時点)、現在受講や届出を行っていない事業者は、このタイムラインに沿って速やかに対応を進める必要があります。
② 2025年4月以降にはじめて黒ナンバーを取得した事業者
非常に多くの新規開業者が誤認しやすいポイントが、このルールです。「2025年4月以降」に新しく営業届出を出し、はじめて黒ナンバーを取得した個人事業主・法人については、2027年3月末までの猶予期間は一切適用されません。新規取得者に関しては、黒ナンバーの取得後、「速やかに選任届出を行う必要」があります。つまり、開業した時点で即座に対象となるため、「周りのドライバーが来年までで良いと言っていたから」と後回しにすることは厳禁です。
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万が一、安全対策を実施しなかった場合の「実務上の致命的なリスク」
①未受講に対する行政処分のリスク
国交省からのハガキを無視して未受講・未選任のまま放置を続けた場合、当然ながら法律違反となり、行政処分等の対象となります。
国土交通省からのハガキ等にも明確に記載されている通り、安全管理者を選任しないなどの安全対策が実施されていない場合は、「自動車の使用停止等、行政処分の可能性がある」ため、非常に重いペナルティが下されるリスクを免れません。
特に2025年4月以降の新規取得者で届出をしていない場合、あるいはそれ以前の取得者で猶予期限を過ぎた場合は、行政指導・処分の対象となります。
②発注者視点における「運転免許を持っていないのと同義」という現実
行政処分のリスク以上に、即座に日々の事業継続を不可能にするのが「仕事(案件)の消滅」です。
配送業務を外部の個人事業主や協力業者に委託する企業(荷主や運送プラットフォームなどの発注者)の立場から見ると、法令で義務付けられた安全管理者が選任・届出されていない事業者への発注は、発注者側のコンプライアンスリスクに直結します。
そのため、業務を発注する立場からすれば、安全管理者講習を受講せず、届出も完了していない事業者への業務委託は、「運転免許を持っていないドライバーに配送を依頼するのと同義」という判断にならざるを得ません。
どれだけ配送品質が優れていようとも、法令上の必須要件を満たしていない以上、実質的に「これ以上、仕事をお願いできない(発注を即座に停止せざるを得ない)」状態へと追い込まれてしまいます。修了証だけでなく、行政が受領した「選任届出書の控え(受領印)」の提出を必須条件として求める発注企業は増えており、未対応であることは「配送業界からの事実上の退場」を意味する時代に突入しています。
受講完了から選任届出を完全に完了させるまでの「4つのステップ」
選任届出の方法については、コラム「貨物軽自動車安全管理者講習が修了したら次はこの4ステップ。貨物軽自動車安全管理者選任届出の提出ガイド!」を参照してください。
まとめ:猶予期限直前の混雑を避け、早期に正しい手続きの完了を
現在、まだ講習を受講していない猶予期間のある業者、および受講後に届出が未完了となっている約半数の事業者が、2027年3月末の猶予期限直前に一斉に動き出すことは確実視されています。
猶予期限直前にこれらの需要が集中した場合、eラーニングシステムのアクセス集中や、全国の運輸支局の書類処理窓口がパンク状態に陥り、手続き完了までに想定以上の時間を要するリスクが懸念されます。先述の通り、未対応の状態は発注企業からの信頼失墜(仕事の停止)を招くため、現時点で未対応の項目がある事業者は、早期の受講および届出を強く推奨します。
株式会社ロジクエストは、国土交通省の登録講習機関(JG003)として、単にeラーニング講習を提供するだけでなく、全国に広範な軽貨物ドライバーネットワークを抱え、日々物流の最前線で稼働する事業者様を直接支援してきた実績があります。
独自にまとめたデータが示す通り、制度の過渡期である今だからこそ、正確な情報発信を続け、事業者様がスムーズに、かつ迷うことなく正しい手続き(受講から届出完了まで)を完結できる環境づくりに全力を尽くしてまいります。
ロジクエスト編集部
株式会社ロジクエストの貨物軽自動車運送事業における安全対策を担当するメンバーが作成しています。安全対策について分かりやすく解説いたします。