OEMとは?仕組みや種類をわかりやすく解説!企業が活用するメリットや事例も紹介
2025年02月3日

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OEMとは、自社で製造することなく、外部の製造業者に製造を委託する仕組みです。企業は、製造を外部に任せることでコスト削減や市場投入のスピード向上を実現できる
一方で、リスク管理や品質管理において注意が必要です。本コラムでは、OEMの基本的な仕組みから、企業がOEMを活用するメリット・デメリット、導入時のポイントをわかりやすく解説します。
この記事の目次
OEMとは?
OEMは「Original Equipment Manufacturing」の略称で、製品の設計や技術を提供する企業と、その製品を製造する企業との間で契約を結び、製品を生産する仕組みです。OEMを活用することで、製造業者の技術や設備を借りて、製品を効率的に作ることができます。この仕組みは、自社で製造ラインを持たずに商品を供給したい企業にとって非常に有用です。

ODMやPBとの違い
OEMとよく比較されるのがODM(Original Design Manufacturing)やPB(Private Brand)です。これらの違いを理解することで、OEMが企業にとって最適な選択肢であるかどうかが分かります。
ODM(Original Design Manufacturing)との違い
ODMは、製品の設計から製造までを一括して委託する方式です。ODMの場合、製造業者が製品のデザインも手掛けるため、企業は製品仕様を決定することなく、完成品を提供されます。OEMは基本的に自社でデザインを決定し、製造だけを委託するのに対し、ODMはデザインも委託する点が大きな違いです。
PB(Private Brand)との違い
PBは、自社ブランドとして販売する製品をOEM業者に製造してもらう仕組みです。自社ブランドを立ち上げ、製造はOEM業者に委託することで、販売活動に専念できます。
OEMを企業が活用するメリット
OEMを導入することで、企業はさまざまなメリットを享受できます。
コスト削減
OEMの最大のメリットは、製造コストの削減です。企業は自社で工場や設備を持つ必要がなく、外部の製造業者の効率的な設備を利用することで、大幅なコスト削減が可能です。
市場投入スピードの向上
OEMにより製品の生産が迅速に行われるため、市場に早く製品を投入でき、競争力を高めることができます。特に急速に変化する市場においては、スピードが成功の鍵となります。
専門技術の活用
製造業者は専門技術やノウハウを持っており、それを活用することで、企業は高品質な製品を提供できます。新しい技術を取り入れる際にも、OEM業者の専門知識が役立ちます。

OEMのデメリットと注意点
OEMにはさまざまなメリットがありますが、導入に際しては注意点もあります。
品質管理の難しさ
OEMでは、外部に製造を委託するため、品質管理が難しくなります。企業は定期的に品質チェックを行い、製造業者との連携を強化する必要があります。
依存度が高くなるリスク
製造業者に依存するため、納期遅延や品質不良など、製造業者に起因するリスクが企業に直接影響を及ぼします。契約内容の確認やリスク管理が重要です。
知的財産権の問題
製品や技術に関する知的財産権が適切に管理されていない場合、製造業者に技術が流出したり、競合他社に模倣されるリスクがあります。契約で知的財産権を厳格に取り決めることが重要です。
OEMの事例(業種別)
OEMは多くの業界で活用されており、特に製造コストの削減や生産効率の向上を目的に導入されています。ここでは、代表的な業種ごとのOEM事例を紹介します。
家電・電子機器業界
家電や電子機器の分野では、メーカーが自社で設計やブランド管理を行い、製造を専門のOEM工場に委託するケースが一般的です。テレビやエアコン、スマートフォン、パソコン周辺機器など、多くの製品がOEMで生産されています。これにより、自社工場を持たずに新製品を展開しやすくなります。
自動車業界
自動車メーカーは、エンジンや電子制御システム、ブレーキ部品など、多くの部品をOEM供給企業から調達しています。また、車両そのものをOEM生産し、別のブランド名で販売するケースもあります。これにより、研究開発や販売戦略にリソースを集中させることが可能になります。
アパレル・ファッション業界
ファッションブランドやスポーツウェアメーカーは、デザインやマーケティングを自社で行い、製造をOEM工場に委託することが一般的です。特に、大量生産が必要な衣類や靴などは、OEMを活用することでコストを抑えながら安定供給を実現しています。
食品・飲料業界
スーパーやコンビニエンスストアなどが販売するプライベートブランド(PB)商品をはじめ、OEMが広く活用されています。OEM企業は、メーカーのレシピに基づいて食品や飲料を生産し、ブランド側は企画・販売に注力できます。また、専門的な設備が必要な飲料や調味料の生産をOEM委託することで、自社工場を持たずに商品展開が可能になります。
化粧品・医薬品業界
化粧品メーカーや医薬品メーカーでは、OEMを活用して製品を製造するケースが多く見られます。特にスキンケア製品や健康食品、医薬部外品などは、OEM企業の技術や設備を活用することで、高品質な製品を効率的に生産できます。また、法律や規制の関係で、専門工場での製造が求められるケースも多く、OEMの活用が重要になります。
OEMの導入を考える際のポイント
OEM導入時には、以下のポイントを抑えておくことが重要です。
契約書と納期管理
OEM契約を結ぶ際には、納期や品質基準などを詳細に取り決め、書面で確認します。また、納期遅延や品質問題を未然に防ぐため、進捗管理や定期的なチェックが重要です。
品質管理体制の確立
品質の維持には、継続的な品質検査とモニタリングが不可欠です。企業は製造業者に対して品質改善のための指導を行い、品質維持の体制を強化することが求められます。
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まとめ
OEMは、企業にとって製造コストの削減や市場投入スピードの向上、専門技術の活用など、さまざまなメリットをもたらします。しかし、品質管理や依存度、知的財産権の問題などのデメリットにも留意する必要があります。OEMを導入する際には、信頼できるパートナー選びや契約書、品質管理体制を整え、慎重に導入を進めることが成功へのカギとなります。
ロジクエスト編集部
株式会社ロジクエストにて、国内外の輸送案件に従事する専門家メンバーが作成。
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