ワクチンの輸送について
2021年12月9日第6版
新型コロナウイルスワクチンの輸送に関する取り組み
株式会社ロジクエストでは、これまで全国29自治体の輸送案件に携わってまいりました。現在、ワクチン追加接種(3回目接種)に備え、これまでのワクチン輸送モデルに加えて、既存事業の強みを活かした一時的な需要にも対応できる輸送モデルを構築中です。
本記事では、ワクチン追加接種に向けた取り組みと、これまでの輸送実績について、弊社ワクチン輸送チームに取材した内容とともにご紹介します。
これまでのワクチン輸送についてはこちらから
PART 1
ワクチン追加接種に伴う輸送に向けて
国内における必要回数のワクチン接種率(2021年11月時点)は7割を超え、現在政府は追加接種(3回目接種)に向けた準備を各自治体に要請しています。2021年4月より全国29自治体のワクチン輸送に携わってきたロジクエスト・ワクチン輸送チーム木戸氏に、今後予想される輸送需要について取材しました。

ワクチン輸送チーム木戸氏
基本型接種施設から連携・サテライト型接種施設までの移送は、これまでの輸送方法と相違ありません。そのため、これまでの輸送を通じて安定した体制が整っているのであれば、追加接種に向けて輸送委託先の変更は不要だと思います。
一方で、異なる輸送需要もあります。その一つが回収業務に係る輸送です。自治体管轄の接種施設で生じた余剰ワクチンは追加接種に活用するため、都道府県庁が管轄する集団接種会場へ移送する必要があります。既に10月、都内のある自治体から回収業務を依頼いただき、都庁までの輸送を行った案件がありました。
当然、自治体職員が輸送を行うことも可能ですが、専用ボックスやアイスバッテリーなどの資材が必要な上、一度きりの輸送に資材を用意することはコスト面から難しいです。
もう一つ、自治体間のワクチン融通による輸送需要の発生の増加が予想されます。1・2回目と異なるメーカーのワクチンを接種する「交互接種」が認められました。これにより、各接種場所での必要量の予測が複雑になり、一時的な輸送需要が増加すると考えられます。ワクチンを安定的に供給するため、自治体同士の連携も更に加速していくと予想できます。
ロジクエストは高頻度の輸送に加え、一時的なスポット輸送も強みとしています。バイク便を中心とした都心部での緊急輸送はもとより、軽四輪や1tから大型トラックに至るまであらゆる車両のスポット輸送で多くの経験があります。
これまでロジクエストでは、安定的なワクチン供給のため、基本型接種施設から連携・サテライト型接種施設までの移送において適切な温度帯管理の下、一定間隔で定期的な輸送を受託、運用してきました。このノウハウを活かし、ワクチンの一時的な輸送需要にも対応します。
PART 2
ワクチン輸送の担当者インタビュー
これまでに全国29自治体のワクチン輸送に携わってきたロジクエストの実績として、都内のある拠点に従事する担当者の声をお伝えします。今回は、都内の拠点管理者と、輸送を担ったドライバーの2名にお話を伺いました。

自治体とのやり取り等を行う拠点管理者の折敷出氏
自治体からのご要望は一括での委託
折敷出氏が担当する自治体からのご要望は、ワクチンの保管から輸送まで一括委託。ワクチン保管に係る準備からドライバーの確保まで、輸送開始時期が決まっている中で行った。
「ワクチンを保管するための設備を準備することから始めました。具体的には、ワクチンの適切な保管場所を確保するため、『ワクチン保管スペースの確保』『ディープフリーザー用電源の増設工事』『入退室管理システムの設置』『必要資材の確保』などが必要でした」と折敷出氏は振り返る。
政府のワクチン取り扱い指針に基づいて様々な準備を進めるうちに、様々な課題が浮かび上がってきたという。
「既製品のバイアルホルダーがワクチンのサイズと合わず、ワンサイズ小さい規格が必要でした。そこで、アイスバッテリーを提供いただいているアイ・ティー・イー株式会社に特注して用意しました」
開始時期が迫る中、準備に焦りも
最終的には予定通りの日程で輸送を開始できたが、開始時期が決まっている中での準備だったため、正直焦りはあったという。準備を進める中、最も大変だったことを折敷出氏に伺った。
「中でも、ワクチンの保管スペースを確保するのが大変だったと感じています。結果的に1週間で確保することができましたが、予定していた場所が2度使用不可になったりと、場所を巡っての調整に奮闘しました。場所が決まり、スペース確保のために荷物が取り出されている様子を見て、ようやくホッとしました」
針やシリンジの小分け作業が予想以上に大変な業務
2021年3月に自治体の要望を受け、実に3ヶ月の期間を経て輸送が開始した。折敷出氏は開始当初、予想以上に大変な業務があったと語る。
「輸送が始まって実感しましたが、針やシリンジなどの小分け作業が予想以上に労力のかかる業務でした。特に初めは5回接種可能なシリンジと6回接種可能なシリンジが混在しており、その分工数が増えていました。
また、ロットナンバーによって、針・シリンジ類の種類が異なるため、正確な作業が必要でした。そこで、専任の現場管理者を立て、小分け作業に対応する時間を分配し対応することにしました。」
安定した運営のために重要なのは逐一の共有
「自治体の方とはもちろんのこと、ドライバーの方とのコミュニケーションも重要です。」
安定した運営のために注意していることは、「逐一の共有」だと語る。緊急輸送を中心としたエクスプレス事業部に属する折敷出氏は、日常的に行っているドライバーとのコミュニケーションにおいて、業務特性が活きたという。緊急を要する輸送では小さなミスが遅延に繋がるため、日頃からのコミュニケーションが欠かせない。
「集団接種会場での接種が始まる頃、自治体担当者と輸送に同行し、受け入れ先の状況や受け渡し方法、注意点などを確認し、ドライバーに共有しました。一方で、個人接種が始まった際は納品先数が多く、全てに立ち会うことが出来ませんので、ドライバーからフィードバックをもらい注意点を共有いただきました。納品先ごとに異なるルールは自治体の方にも逐一報告しています。自治体、管理者、ドライバーが同じ情報を持つことで、安定的な運営に繋がると考えています。」

ワクチン輸送を担当するドライバーの木代さん
慎重な輸送が必要なワクチン、振動に細心の注意
ドライバーの木代さんは、区内の病院やクリニック、ワクチン集団接種会場になっている区役所や公民館へ、冷凍保存したコロナワクチンと接種に使う注射器等を輸送している。2021年4月からワクチン輸送を行っている木代さんに業務中に気を付けていることを伺った。
「ワクチンは冷凍保存した専用のボックスに入れて輸送しますが、ボックスを倒さないように慎重に運んでいます。
代車で運ぶ時には荷締めバンドを使ったり、出入り口が近い時には振動を与えないようにボックスを手に持って輸送しています。」
多い時には一日に10か所以上の納品先に輸送していた木代さんは、振動に細心の注意を払っていた。
冷蔵庫での納品は付き添いの方と実施
続けて、納品先での注意点について伺った。
「集団接種会場に輸送するときには、配送員が専用冷凍ボックスからワクチンを取り出し、直接ワクチンを冷蔵庫に入れて保管します。
その際、冷蔵庫の扉が開かないようにテープで固定したり、接種会場の付き添いの方に確認してもらったりしています。
コロナ禍のもと、病院、クリニック内に入る際には、不織布のマスクを着用したり、アルコール消毒をしてから院内に入るように心がけしてました。」
いかがでしたでしょうか。弊社では、ワクチン追加接種(3回目接種)に備え、これまでの輸送実績に基づき、今後予想される一時的な需要に対する輸送体制の準備を着々と進めています。お困りのことがありましたら、ぜひ弊社までお問い合わせください。
新型コロナウイルスワクチン輸送に関する資料
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株式会社ロジクエスト
新型コロナウイルスワクチン輸送チーム
担当:木戸 善次郎 080-6203-8284
折敷出 想 080-4291-8097
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