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物流とは?6つの機能・5つの領域から流通・商流・ロジスティクス・SCMとの違い、効率化までわかりやすく解説

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物流基礎知識

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物流という言葉から、トラックで商品を運ぶ場面をイメージする方は多いでしょう。しかし、物流は単にモノを運ぶことだけを指すものではありません。原材料や商品を必要な場所へ届けるための輸送に加え、保管、荷役、包装、流通加工、情報管理までを含む一連の活動です。

本記事では、物流の意味と6つの機能、代表的な5つの領域を整理したうえで、流通・商流・ロジスティクス・SCMとの違い、企業が物流を管理する重要性、効率化の方法までわかりやすく解説します。

最新更新日:2026年9月1日

POINT

この記事の要点

  1. 01

    物流とは、輸送だけでなく、保管・荷役・包装・流通加工・情報管理までを含む一連の活動です。

  2. 02

    流通・商流・ロジスティクス・SCMは、それぞれ対象とする範囲や管理の目的が異なります。

  3. 03

    物流は、モノが移動する段階によって、調達・生産・販売・回収・消費者物流の5つに分類できます。

  4. 04

    物流の改善には、現状の可視化、作業の標準化、配送条件の見直し、システム活用、外部委託の検討が重要です。

物流とは?

物流とは、原材料・部品・商品などのモノを、必要な場所へ移動させ、適切な状態で管理する一連の活動を指します。英語では「physical distribution」と表現されることがあります。

対象となる範囲は、完成品を消費者へ届ける工程だけではありません。仕入先から工場へ原材料を運ぶ工程、工場内で部品を移動・保管する工程、倉庫から店舗や取引先へ配送する工程、返品や使用済み製品を回収する工程も物流に含まれます。

たとえばECサイトで商品を購入した場合、注文情報の受信、在庫確認、商品のピッキング、検品、梱包、送り状の発行、配送、返品対応まで、複数の物流機能が連動しています。どこか一つの工程が滞ると、納期遅延や欠品、誤出荷などにつながるため、物流は企業活動と生活を支える重要な社会インフラです。

物流の主な役割

  • 場所の隔たりを埋める:生産地と販売先、倉庫と納品先など、離れた場所をつなぎます。
  • 時間の隔たりを埋める:需要が発生するまで商品を保管し、必要な時期に供給します。
  • 商品の品質を守る  :温度、衝撃、湿度、衛生状態などを管理、適切な状態で届けます。
  • 需給を調整する   :在庫情報と出荷情報を管理し、欠品や過剰在庫を抑えます。
  • 顧客体験を支える  :正確な納品、指定時間への対応、返品対応などを通じて信頼を支えます。
物流の全体像
物流とは、原材料・部品・商品などを必要な場所へ移動させ、適切な状態で管理する一連の活動です。

物流と流通・商流・ロジスティクス・SCMの違い

物流には似た意味で使われる言葉が複数あります。厳密な範囲は企業や業界によって異なる場合がありますが、基本的には次のように整理できます。

比較項目 物流 流通 商流 ロジスティクス SCM
基本的な意味 モノの流れ モノを移動・管理する活動 原材料や商品を必要な場所へ移動させ、適切な状態で管理します。 商品全体の流れ 生産者から使用者までの流れ 物流と商流を含め、商品が市場を通じて移動する全体を表します。 権利・取引の流れ 売買や所有権の移転 受発注、契約、決済、請求など、商取引に関する流れを指します。 物流を最適化 物流を計画・統合する考え方 調達から配送までを経営視点で設計し、コストや品質を最適化します。 供給網全体を最適化 企業をまたいだ連携・管理 仕入先、メーカー、卸、小売、物流事業者などを含めて管理します。
中心となる対象 モノの移動と保管 原材料、部品、商品、返品物などが対象です。 商品が市場を移動する過程 モノの流れと取引の流れの両方を含みます。 所有権・代金・情報 商品の所有者や代金、契約関係の変化が中心です。 企業内の物流活動 在庫、拠点、輸送、調達などを横断的に管理します。 サプライチェーン全体 複数企業にまたがる供給・生産・販売の連携が対象です。
主な内容 輸送・保管・荷役など 包装、流通加工、在庫管理、物流情報管理も含まれます。 物流と商流の両方 商品の物理的な移動と、売買取引の流れを包括します。 受発注・契約・決済 請求、支払い、所有権移転などの取引活動です。 物流体制の計画と改善 在庫配置、拠点配置、配送網などを統合的に設計します。 需要・供給情報の共有 調達、生産、在庫、販売、配送を企業間で連携させます。
主な目的 正確かつ効率的に届ける 納期、品質、コストを管理しながらモノを届けます。 商品を市場へ行き渡らせる 生産された商品を必要とする企業や消費者へ届けます。 取引を成立させる 売買条件を決め、代金や所有権を適切に移転します。 物流全体を最適化する 部分的な効率化ではなく、全体のコストと品質を改善します。 供給網全体を最適化する 企業間の連携を強め、欠品や過剰在庫などを抑えます。

※各用語の範囲や定義は、企業や業界によって異なる場合があります。

つまり、物流は「モノを動かして管理する実務」、ロジスティクスは「物流を計画・統合して最適化する考え方」、SCMは「複数企業を含むサプライチェーン全体を管理する考え方」と捉えると理解しやすいでしょう。

物流を構成する6つの機能

物流は一般に、輸送・配送、保管、荷役、包装・梱包、流通加工、情報管理の6つの機能から構成されます。これらは独立した作業ではなく、相互に連動しています。

物流機能 主な役割 具体例
01 輸送・配送 モノを別の場所へ移動させる 生産地、工場、倉庫、店舗、企業、個人宅などをつなぐ機能です。 幹線輸送・店舗配送・宅配 トラック、鉄道、船舶、航空機などが利用されます。
02 保管 必要な時期までモノを預かる 品質を維持しながら、生産と需要の時間差を調整します。 常温・冷蔵・冷凍保管 在庫数、保管場所、期限、温度や湿度なども管理します。
03 荷役 倉庫内でモノを取り扱う 入庫から出庫までに発生する積み下ろしや移動などの作業です。 入庫・棚入れ・ピッキング 仕分け、運搬、積み込み、荷下ろしなども含まれます。
04 包装・梱包 商品を保護し扱いやすくする 輸送や保管中の衝撃、汚れ、水濡れなどから商品を守ります。 個装・内装・外装 段ボール、緩衝材、袋、パレットなどを使用します。
05 流通加工 流通段階で商品に加工を加える 納品先や販売方法に合わせて付加価値を加える機能です。 ラベル貼り・セット組み 検品、小分け、値札付け、ギフト包装なども該当します。
06 情報管理 モノの数量・位置・進捗を管理する モノの動きと情報を一致させ、物流全体を円滑に動かします。 受注・在庫・配送状況の管理 WMS、TMS、受注管理システム、追跡情報などを活用します。

※6つの機能は独立しているのではなく、相互に連動することで物流全体を支えています。

1. 輸送・配送

輸送・配送は、トラック、鉄道、船舶、航空機などを使ってモノを移動させる機能です。一般に「輸送」は工場・倉庫・物流拠点間などの比較的大量・長距離の移動、「配送」は物流拠点から店舗や企業、個人宅などへの比較的小口・近距離の移動に使われることが多い言葉です。ただし、実務上の使い分けは事業者や場面によって異なります。

2. 保管

保管は、商品や原材料を倉庫・物流センターなどで適切に管理する機能です。単に置いておくだけではなく、数量、保管場所、賞味期限・使用期限、温度、湿度などを管理し、必要なときに出荷できる状態を維持します。生産と需要の時間差を調整する重要な役割があります。

3. 荷役

荷役とは、荷物の積み下ろし、運搬、棚入れ、仕分け、ピッキングなど、倉庫や物流拠点で行われる作業の総称です。作業量が多く、人手に依存しやすい工程であるため、レイアウトの見直しやハンディターミナル、搬送機器などの活用が効率と品質を左右します。

4. 包装・梱包

包装・梱包は、輸送・保管中の衝撃や汚れから商品を守り、取り扱いやすい状態にする機能です。商品そのものを包む「個装」、複数の商品をまとめる「内装」、輸送用の段ボールなどに収める「外装」という区分もあります。過剰包装を避けながら、商品特性に合った資材と方法を選ぶことが重要です。

5. 流通加工

流通加工とは、商品が流通する途中で行う加工です。値札・ラベル貼り、セット組み、検品、小分け、ギフト包装、説明書の封入などが該当します。製造工程ほど大規模ではありませんが、納品先や販売方法に合わせて商品価値を高める役割があります。

6. 情報管理

情報管理は、受注、在庫、入出荷、配送状況などの情報を記録・共有し、物流全体を動かす機能です。WMS(倉庫管理システム)、TMS(輸配送管理システム)、受注管理システム、配車管理システムなどが活用されます。モノの動きと情報が一致していなければ、欠品、過剰在庫、誤出荷、配送遅延が起こりやすくなります。

物流の代表的な5つの領域

物流は、モノがどの段階を移動しているかによっても分類できます。分類方法は業界や企業によって異なりますが、代表例として次の5つが挙げられます。

物流領域 モノの主な流れ 主な内容・具体例
01 調達物流 仕入先から自社へ 生産や販売に必要な原材料、部品、商品を受け入れる物流です。 原材料・部品・商品の仕入れ 工場や倉庫への搬入、入荷検品、保管などが含まれます。
02 生産物流 工場や事業所の内部・拠点間 生産工程に合わせて部品や仕掛品などを移動させます。 部品供給・工程間搬送 仕掛品管理、工場内運搬、工場間輸送などが含まれます。
03 販売物流 自社から取引先・消費者へ 完成した商品を販売先や利用者へ届ける物流です。 出荷・店舗配送・宅配 企業間配送、EC商品の発送、納品などが含まれます。
04 回収物流 納品先・消費者から自社側へ 販売後の商品や資材を回収する逆方向の物流です。 返品・不良品・容器の回収 使用済み製品、リサイクル品、廃棄物の回収なども含まれます。
05 消費者物流 消費者を主体とするモノの移動 消費者の購入や生活に伴って発生する物流を指します。 宅配・引越し・個人間配送 EC商品の受け取りやフリマ取引に伴う配送などが該当します。

※物流領域の分類方法は一つではなく、業界や企業によって呼称や範囲が異なる場合があります。

近年は、返品・回収・再資源化まで含めて「リバースロジスティクス」や「静脈物流」と捉える場面も増えています。企業には、商品を届けるまでだけでなく、返品や廃棄、再利用まで含めた設計が求められます。

企業にとって物流が重要な理由

物流コストが利益に直結する

物流には、運賃だけでなく、倉庫費、人件費、車両費、資材費、システム費、返品・再配送費などがかかります。部分的な単価だけを見ると、別の工程で費用が増えていることもあります。物流全体の総額と業務量を可視化し、部分最適ではなく全体最適で判断することが重要です。

物流品質が顧客満足度を左右する

商品自体に問題がなくても、納期遅延、破損、誤配送、納品時の対応不備があれば、顧客からの信頼を損なう可能性があります。物流は販売後の付帯業務ではなく、商品・サービスの価値を完成させる顧客接点の一つです。

安定供給が事業継続につながる

災害、交通障害、人手不足、設備トラブルなどが発生しても、必要な商品を供給できる体制が求められます。拠点や配送手段の代替策、適正在庫、複数事業者との連携などを平時から検討することが、事業継続性の向上につながります。

2026年時点で物流が抱える主な課題

物流を取り巻く環境は、人手不足、物量変動、コスト上昇、法制度への対応などによって変化しています。2026年3月に閣議決定された「総合物流施策大綱(2026年度~2030年度)」でも、物流効率化、商慣行の見直し、物流人材の労働環境改善、物流DX・GX、サプライチェーンの強靱化が重点項目に掲げられています。

ドライバー・物流人材の不足

採用難や高齢化に加え、労働時間管理の厳格化により、従来と同じ人員・運行方法で配送能力を維持することが難しくなっています。

小口・多頻度化と物量変動

ECや多様な納品ニーズにより、小口配送や時間指定が増えています。セールや季節商戦など、短期間の物量増加への対応も課題です。

物流コストの上昇

人件費、燃料費、車両費、資材費、倉庫費などが上昇しやすく、取引条件や配送頻度を含めた見直しが必要です。

情報の分断と属人化

受注、在庫、倉庫、配車、納品情報が別々に管理されていると、二重入力や確認作業が増え、意思決定も遅れます。

環境負荷と災害対応

CO2排出量の削減に加え、自然災害や地政学リスクを想定した供給網の強靱化も求められています。

荷主に求められる物流効率化

2025年4月から荷主・物流事業者に物流効率化の努力義務が課され、2026年4月からは一定規模以上の特定事業者に中長期計画や定期報告などが義務付けられています。物流は物流部門だけに任せるのではなく、荷主企業も主体的に改善する必要があります。

物流を効率化する5つの方法

1. 現状とコストを可視化する

出荷件数、物量、配送先、走行距離、積載率、納品時間、誤出荷、再配送、残業時間などを把握します。運賃だけではなく、自社社員の作業時間や車両管理費なども含めて確認することが重要です。

2. 作業と納品条件を標準化する

担当者ごとに異なる作業を整理し、検品方法、梱包方法、納品手順、例外対応を標準化します。納品時間や頻度、荷姿など、取引先と調整できる条件も見直します。

3. 配送ルートと運行方法を見直す

配送先の順番、車両サイズ、便数、積載状況を確認します。ルート配送、共同配送、集約配送などを組み合わせることで、空車や重複走行を抑えられる場合があります。

4. システムで情報を連携する

受注管理、在庫管理、倉庫管理、配車管理などのデータを連携し、在庫数や配送状況を確認できる状態をつくります。システム導入前に、商品マスタや運用ルールを整備することも欠かせません。

5. 外部委託を活用する

すべてを自社で抱えるのではなく、負担の大きい工程や専門性が必要な業務を外部へ委託する方法があります。倉庫・在庫管理・発送を含む物流アウトソーシングのほか、配送業務だけを切り出すことも可能です。

配送業務の外部委託を検討すべきケース

物流全体のうち、配送は人員、車両、時間、事故対応などの管理負担が大きい工程です。次のような状況では、配送業務の一部または全部を外部委託することで、体制を改善できる可能性があります。

  • 営業担当者や専門職が配送を兼務し、本来の業務時間が減っている
  • ドライバーを募集しても採用・定着が進まない
  • 繁忙期や曜日によって必要な車両台数が大きく変わる
  • 車両費、人件費、採用費、事故対応を含む総コストが把握できていない
  • 納品先ごとに検品、棚入れ、回収などの個別作業がある
  • 新規エリアや新規事業の配送体制を短期間で構築したい

まとめ

ロジクエストでは、専属ドライバーによる定期・ルート配送をはじめ、短期間・短時間・1台からの配送代行にも対応しています。現在の配送ルートや付帯作業を確認し、業務内容に合わせた運用を設計します。

物流とは、原材料や商品を運ぶだけでなく、保管、荷役、包装、流通加工、情報管理までを含むモノの流れです。物流の各機能を適切に管理することは、コスト削減だけでなく、納期の安定、顧客満足度、在庫の適正化、事業継続性の向上にもつながります。

物流を見直す際は、まず物量、作業時間、配送ルート、コスト、ミスの発生状況を可視化し、自社で維持する業務と外部へ委託する業務を整理することが重要です。すべてを一度に変更する必要はなく、負担の大きい配送業務だけを切り出して改善する方法もあります。

「配送を社員が兼務している」「ドライバーを採用できない」「繁忙期の配送能力が不足する」「現在の配送コストが適正かわからない」といった課題がある場合は、現在の配送体制を整理するところから始めてみてはいかがでしょうか。ロジクエストでは、配送ルートや納品条件、付帯作業を確認し、業務に合わせた配送体制をご提案します。

記事の作成者

ロジクエスト編集部

株式会社ロジクエストにて、国内外の輸送案件に従事する専門家メンバーが作成。
物流に関わる基礎知識やトレンドについて、分かりやすく解説しています。

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