路線便とは?輸送方法の特徴やメリットを徹底解説!
2024年12月24日
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物流の現場で頻繁に使われる輸送方法のひとつである路線便。
具体的な内容を理解している方は少ないかもしれませんが、輸送コストを抑えやすいため多くの企業が活用している輸送方法です。
本記事では、路線便の特徴や仕組み、利用する際のメリットとデメリットを分かりやすく解説します。
この記事の目次
路線便とは
路線便とは、複数の事業者から預かった荷物を決められた拠点とルートを経由して届け先に近い拠点まで輸送するサービス
です。
拠点間の荷物を運ぶことが役割で、様々な荷主の荷物をまとめて同じトラックで輸送されます。物流現場では混載便と呼ばれることもあります。輸送コストをシェアできるため、荷物が少ないときに適した輸送サービスとなります。
宅配便は一般消費者向けのサービスであるのに対し、路線便は主に企業間の物流で使われるサービスであるため、馴染みのない方もいらっしゃるでしょう。
路線便の特徴
路線便には以下のような特徴があります。
- 1.混載による効率性
- 2.リレー形式の輸送
- 3.対応荷物の幅広さ
1.混載による効率性
複数の荷主の荷物を1台のトラックに積み込むことで、輸送効率を向上させています。各荷主が小口の荷物でもコストを抑えて利用できる点が大きな特徴です。
2.リレー形式の輸送
路線便は、決まった拠点間をトラックで輸送し、到着後に荷物を仕分けして次のトラックに載せ替えるリレー形式を採用しています。届け先の異なる同方面の荷物が徐々に目的地に近づいていく流れの中で、集荷からお届けまでに複数のトラックが関与しながら荷物を運んでいます。
3.対応荷物の幅広さ
企業間の輸送においては、長尺物や重い荷物の輸送も対応しています。これにより、製造業や建設業などさまざまな業種で利用されています。
路線便の仕組み
集荷から配達までの路線便の具体的な仕組みを詳しく解説します。
- 1.荷物の集荷
- 2.物流拠点での仕分け
- 3.拠点間輸送
- 4.最終仕分けと配送
1.荷物の集荷
まずは近くの運送業者に荷物を渡します。その際、運送業者が荷物を集荷する方法と、荷主が直接運送業者の拠点に荷物を持ち込む方法があります。
2.物流拠点での仕分け
荷物は最寄りの物流拠点で行き先ごとに仕分けされます。同じ方向の荷物をまとめて効率的に輸送するための重要なプロセスです。
3.拠点間輸送
仕分けされた荷物は、目的地に近い拠点までトラックで輸送されます。この際、各方面へ決められたルートを通り輸送されるため、複数事業者の荷物混載が可能になります。
4.最終仕分けと配送
到着した拠点で再度荷物が仕分けされ、最終的に目的地へ配送されます。配送は地元の配送業者が担当する場合もあります。
届け先に至るまでの一連の流れにより、低コストかつ効率的な輸送が実現しています。
チャーター便との違い
チャーター便とは1台のトラックを貸し切り、荷物を直接目的地へ届けるサービスです。
チャーター便は荷主向けに迅速で柔軟なサービスを提供できます。一方、路線便は混載によるコスト効率の高さが最大の利点です。
路線便 | チャーター便 | |
---|---|---|
コスト | 低コスト | 高コスト |
自由度 | ルート・日時の指定は不可 | あらゆる内容を指定可能 |
輸送期間 | 拠点を経由するため日数がかかる | 直接配送のため日数はかからない |
荷物の取扱い | 積み替えや仕分けが発生 | 積み替えや仕分けが発生しない |
チャーター便の詳細は「【初心者向け】チャーター便とは?メリットや活用事例を紹介!」をご覧ください。
路線便のメリットとデメリット
路線便は、他の輸送方法より優れたメリットがありますが、その反面で路線便ならではのデメリットもあるため、活用したいときのためにここで抑えておきましょう。
メリット
1.低コストで利用可能
混載輸送により、荷主が負担するコストを抑えられます。特に小口の荷物を輸送する際に有効です。
2.柔軟な荷物対応
長尺や重量物など、通常では対応できない荷物も輸送可能です。製品の種類に応じた柔軟性が求められる業界で利用されています。
3.全国規模の輸送が可能
大手物流会社には全国拠点ネットワークが構築されているため、地方や遠隔地への輸送も安価で行うことが可能です。
デメリット
1.輸送時間の長さ
拠点間を経由して届け先を目指すため、チャーター便と比べて配送に時間がかかります。急ぎで届けたい際には不向きなサービスです。
2.輸送トラブルのリスク
経由する拠点の数だけ積み替えや仕分け作業が発生するため、荷物の破損や紛失のリスクが増加してしまう可能性があります。
3.自由度の制限
細かな納品日時やルートの指定が難しく、指定日に確実に届ける必要がある場合には適していません。
まとめ
路線便はコスト効率が高く、幅広い荷物に対応可能な輸送サービスです。ただし、急ぎの輸送や確実な時間指定が必要な場合には、デメリットを考慮する必要があります。
適切な輸送方法を選択することで、コスト削減や業務効率化を実現できます。ぜひ、自社の物流戦略に取り入れてみてください。
ロジクエスト編集部
株式会社ロジクエストにて、国内外の輸送案件に従事する専門家メンバーが作成。
物流に関わる基礎知識やトレンドについて、分かりやすく解説しています。