クリーニング配送の外注と効率化のポイント“一部委託”で広がる配送の選択肢
2026年04月20日
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クリーニング業界において、集配業務は品質と顧客満足度を左右する重要な工程です。
一方で、都内や神奈川県などの都市部で、法人案件やルート配送を担っているクリーニング事業者様を中心に、「配送の限界」という壁に直面しているケースが増えています。
- 新規取引の依頼はあるが、車両や人員の余裕がない
- 配送を外注したいが、専用のハンガー車を準備してくれる業者がいない
- 都心の駐車場代が経営を圧迫しており、これ以上車両を増やせない
本記事では、クリーニング配送特有の課題を踏まえつつ、「すべて外注する」のではなく「一部だけを外部委託する」という現実的な戦略について解説します。
この記事の目次
結論:ハンガー車不要の「ルート切り分け」が外注成功の鍵
クリーニング配送の外注が難しい最大の理由は、車両の「専用設備(ハンガーパイプ)」にあります。
一般的な運送会社にとって、車両をクリーニング専用に改造することは大きなリスクです。ハンガーパイプがあることで、他の荷物を運ぶ際の積載効率が落ちるため、受託を断られるケースが少なくありません。
しかし、現場を見渡せば「すべての荷物がハンガー必須」ではないはずです。専用車両が不要な領域を特定し、そのルートだけを外注化することで、配送体制の最適化を図ることが可能になります。

専用車なしで「吊るし」を運ぶ現場の知恵
「ハンガー車が手配できないから外注は無理」と考える前に、運用方法を見直してみましょう。実際の現場では、専用設備がなくても以下のような工夫で外注化を実現している事例があります。
キャスター付きハンガーラックの活用
車両側に固定のパイプがなくても、キャスター付きのハンガーラックをそのまま車両に積載・固定して輸送する手法です。
- 積載のメリット: 軽バンや一般車両でも、ラックを活用すれば衣類を吊るしたまま輸送できます。
- 作業効率の向上: 工場から車両、車両から納品先へとラックごと移動できるため、積み替えの手間が軽減されます。
- 外注のしやすさ: 車両側の改造が不要なため、外部の配送パートナーに依頼するハードルが劇的に下がります。
自社配送vs一部外部委託|コストと運用効率の比較
都内や都市部での運用を想定し、自社の主力となる「1t車(ハイエース等)」と、外部委託で主流の「軽バン」を組み合わせた際の比較です。
| 評価軸 | 自社配送(主に1t車/ハイエース) | 一部外部委託(主に軽バン) |
|---|---|---|
| 主な車両タイプ | 1t・ハイエース等(固定のハンガーパイプあり専用改造) | 軽バン(固定のハンガーパイプなし汎用車両) |
| 1台あたりの積載量 | ○高い(まとめ積みに最適) | △限定的(小口・高頻度に最適) |
| 狭小路での機動力 | △低い(都心の路地等に制約) | ○高い(住宅街に最適) |
| 車両維持コスト | △駐車場代・保険代が固定で発生 | ○委託分は使った分だけの費用 |
| 増車・増員のハードル | △非常に高い(採用・車両確保) | ○低い(委託先のリソース活用) |
| 経営リスク | △閑散期の固定費が負担 | ○繁忙・閑散に合わせた調整が可能 |
補足:車両特性を活かした「使い分け」のメリット
自社保有のハイエース等は、大量の荷物を一度に運ぶ輸送や、ハンガー必須のデリケートな案件に。一方で、外部委託の軽バンは「たたみ納品」の法人案件や、道が狭く駐車が困難な都心の店舗ルートに充てる。
このように、「積載量」と「機動力」を補完し合うことで、トータルコストを抑えながら、配送対応力そのものを引き上げることが可能になります。

クリーニング配送の現実:実は「外注しやすい領域」がある
車両を使い分けるために、まずは以下の領域から外注化を検討するのが現実的です。
- 法人向けユニフォーム・作業着: たたみ仕上げで納品可能な案件。
- リネン・タオル・袋物: ケースや専用袋にパッキングされた商品。
- 店舗・拠点間の横持ち配送: 工場から店舗、あるいは拠点間の移動。
ポイント:
「すべてを外注する」のではなく、「ハンガー不要なルートや品目だけを切り出す」ことが、協力会社をスムーズに見つけるコツとなります。
都内の経営を圧迫する「駐車場代」という固定費への対策
都内や横浜・川崎といったエリアにおいて、車両コストの中でも特に大きいのが「駐車場代」です。
配送をすべて内製化しようとすれば、稼働していない時間帯も含めて高額な駐車料金を支払い続けなければなりません。また、車両を増やすことは、そのまま固定費増のリスクに直結します。
「車両を持たない」という戦略的選択
外注を活用することは、単に「運び手を代える」だけではありません。「自社で抱える車両台数を適正化し、高額な駐車場代を抑制する」という経営判断でもあります。
特に、ユニフォーム配送などの「ハンガーパイプなしでも運べるルート」を外部のプロへ委託することで、自社の専用車両は本当に必要な業務だけに集中させることができます。
まとめ:配送分離で「攻め」の経営へ
クリーニング配送は、仕組み次第で柔軟に拡張できます。
- ハンガー車が必要なデリケートな衣類は「自社」で品質を担保
- たたみやリネンなどの汎用ルートは「外注」で効率を追求
このように役割を分担することで、車両維持コストを最小限に抑えつつ、新規の取引機会を確実に掴む体制が整います。
ロジクエストでは、クリーニング業の配送特性を踏まえ、 「どのルートが外注可能か」「どの程度コスト最適化できるか」からご提案可能です。
まずは現在のルートの中から、外注可能な範囲を整理してみませんか。
貴社の状況に合わせた、無駄のない最適な配送プランをご提案いたします。

ロジクエスト編集部
株式会社ロジクエストにて、国内外の輸送案件に従事する専門家メンバーが作成。
物流に関わる基礎知識やトレンドについて、分かりやすく解説しています。


